寝た男の数を競う女たち
備忘用。
女子会というものに遭遇した。
時に蔑み合い、時に牽制し合い、そして最終的には励まし合う混沌とした世界。
ワインボトルを次々空けながら女たちは各々の近況を語っていた。
「飲んだ帰りに見知らぬ男に声をかけられ気づいたらホテルにいた」
「居酒屋で知り合った男たちに持ち帰られ一晩で3人と寝た」
「いつも生でしたがるセフレがいる」
と自嘲ぎみに言うのだ。そして話題はそのまま経験人数の暴露大会に発展する。
その時私は、3年前にある女性から聞いた話を思い出していた。
当時私の担当をしてくれていた美容師さんだ。
彼女は、初めての彼氏と8年間交際し婚約までしていたにもかかわらず、同窓会で久々に再開した男と意気投合し、プロポーズされ、結局その同級生の男と結婚することを決意したというのだ。
最初の婚約者が不憫ということはさておき、単純に凄いと思った。一生側にいたい、と2人の男に思わせたのだ。彼女は謙虚で気立てが良く、いつもニコニコしていたがそれ以外にもきっと男がグッとくる魅力があるに違いない、それを教えてくれと思った。
一方、寝た男の数を暴露し、その大小でマウンティングし合っている目の前の女たち。きっと何か勘違いをしている。
ホテルに誘われるのはあなたたちが魅力的だからなのだろうか。あなたをあなた個人として見ているのだろうか。呼べばすぐ来る、なんでも従う、都合のいい女Aではないのだろうか。
そんなものはただのサセ子だ。
経験回数や人数が多いこと自体は悪ではないが、問題はそれが「相手の行動を受け入れただけ」ということに気付いていないことだ。それをあたかも自分が何か成し遂げたかのように誇示する。実際にはリスクを負わなければならないのだからむしろマイナスである。そのままズルズルと若さを失った未来に何がある。
ではサセ子の反対の女たちはどんな女だろうと考えた。
サセ子の反対にいる女たち
- プロポーズされる女
- 抱けそうで抱けない女
- 狩る女
ではなかろうか。
プロポーズされる女
先ほども例に挙げた様に、「一生一緒にいてくれや」と思わせる女。家族や友達に紹介しても恥ずかしく無い、支え合い、信頼できる存在である。サセ子はせいぜい一晩、ひどいときは2時間くらい一緒にいてくれたら大丈夫だ。
抱けそうで抱けない女
高い店を予約する、花を贈る、まめに連絡する、なのに落ちない。もう少しのところまでは来ている。どうにか俺のものにしたくてまた食事に誘う。そんな風に男を夢中にさせる、俗に言う隙を「見せる」女。この隙とは一体なんなのだ。早く誰か科学的に証明してくれ。ちなみにサセ子は隙だらけの丸腰だ。武器どころか服も装備してない。
狩る女
刺激大好き!男大好き!SEX大好き!な女である。
サセ子との決定的違いは能動的であること。自分で男を選ぶ。抱かれるのではなくむしろ抱く。ホテルで朝目覚め、身支度をテキパキと済ませ「楽しかったわ。じゃ。」と言い残して颯爽と仕事に向かう。連絡先なんてきかない。彼女こそ、寝た男の数を堂々と誇示できる女である。
何はともあれ、女子会にて考えさせられたことを備忘録としてここにまとめておく。メリークリスマス。